
副業人材とは?正社員採用に変わる企業の活用方法
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「マーケティングを任せられる人材を採用したいが、求人を出しても応募が集まらない」「採用できても育成に時間がかかり、事業のスピードに追いつかない」という悩みを抱える人事担当者は少なくありません。専門性の高い職種ほど採用市場での競争は激しく、正社員という枠にこだわるほど必要な人材に出会いにくくなります。こうした状況で選択肢になるのが、本業を持ちながら空き時間で他社の業務を担う副業人材の活用です。雇用ではなく業務委託で受け入れるため、採用コストや教育コストを抑えながら、必要な専門性だけを補えます。この記事では、副業人材の定義と外部人材やプロ人材との違いを整理したうえで、正社員採用の代わりとして成立する理由、業務委託で受け入れる際の契約上の留意点、そして報酬相場の考え方や具体的な活用シーンまで解説します。
副業人材とは?外部人材やプロ人材との違い
副業人材という言葉は、外部人材やプロ人材と混同されがちです。まずは何を指す言葉なのか、どのような形で自社に関わってもらう存在なのかを整理しておきましょう。定義が曖昧なまま検討を進めると、契約形態の選択を誤る原因になります。
副業人材の定義と働き方
副業人材とは、本業となる仕事を持ちながら、その空き時間を使って他社の業務に携わる人材を指します。平日の夜間や週末、あるいは週に数時間といった限られた稼働時間で関与するのが一般的です。事業会社で実務を担っている現役の担当者が多く、現場で使われている手法や最新の動向を持ち込んでもらえる点が特徴です。フルタイムで関わることは難しい一方、特定の領域に絞れば高い専門性を発揮できる人材が多く存在します。
外部人材・プロ人材との関係
外部人材は、自社の従業員以外で業務に関わる人を広く指す言葉で、副業人材もそのひとつに含まれます。プロ人材は、特定分野で実績を積んだ専門家を指す呼び方で、独立したフリーランスもいれば、本業を持ちながら副業として関わる人もいます。つまり、これらは対立する概念ではなく、重なり合う関係です。自社が求めているのが専門性なのか、稼働量なのか、常駐性なのかを整理すると、どの層に声をかけるべきかが見えてきます。
雇用ではなく業務委託で受け入れるのが一般的
副業人材を受け入れる際は、雇用契約ではなく業務委託契約を結ぶのが一般的です。雇用契約で受け入れると、自社と本業先の双方で労働時間を通算して管理する必要が生じ、受け入れ側の負担が大きくなります。業務委託であればこの通算は不要とされており、実務上の扱いがシンプルになります。ただし、契約の形式だけを業務委託にしても、実態として指揮命令を行っていれば適切な運用とはいえません。契約形態と実際の関わり方を一致させることが前提です。
| 項目 | 正社員採用 | 副業人材(業務委託) |
|---|---|---|
| 契約形態 | 雇用契約 | 業務委託契約 |
| 稼働の考え方 | 所定労働時間にもとづくフルタイム | 合意した業務範囲と稼働量 |
| 指揮命令 | 可能 | できない。成果物や業務範囲で合意する |
| 労働時間の通算 | 副業先も雇用なら通算が必要 | 雇用によらないため通算は不要 |
| 費用の性質 | 固定人件費として継続 | 稼働量に応じた変動費 |
正社員採用が難しい企業に副業人材が選ばれる理由
副業人材の活用が広がっている背景には、採用市場の構造的な事情があります。人事担当者が抱える悩みのうち、どの部分が解消されるのかを具体的に見ていきましょう。
採用コストと採用期間を抑えられる
正社員を採用する場合、求人広告費や人材紹介手数料に加え、書類選考から面接、内定、入社までの期間が必要です。専門職では母集団が集まらず、掲載を延長するうちに費用だけがかさむこともあります。副業人材であれば、条件が合えば短期間で稼働を開始できるため、採用活動そのものにかかる時間と費用を圧縮できます。事業の立ち上げやキャンペーンのように、着手の速さが成果を左右する場面では特に効果が大きくなります。
教育コストをかけずに即戦力を確保できる
未経験者や若手を採用した場合、戦力になるまでの教育期間と、それを担う既存社員の時間が必要になります。専門人材が社内にいない企業では、そもそも教えられる人がいないという問題も起こります。副業人材は他社で同じ領域の実務を担っている人が多く、基礎的な説明を省いて業務に入れます。自社の事情を共有すれば、すぐに具体的な提案が返ってくる状態をつくれる点が、教育コストの面での大きな違いです。
固定人件費を増やさずに専門性を補える
正社員として採用すると、業務量の増減にかかわらず人件費は固定的に発生します。一方、専門性が必要な業務は年間を通じて一定量あるとは限らず、施策の立ち上げ期に集中することも多いものです。副業人材であれば、必要な時期に必要な量だけ依頼でき、落ち着いた後は稼働を減らす調整ができます。採用の可否を固定費の重さで判断していた企業にとって、検討のハードルが下がる点は見逃せません。また、副業人材に業務を任せながら成果の出し方を社内で学び、体制が固まった段階で正社員採用に切り替えるという進め方もあります。いきなり採用するかどうかを決めるのではなく、まず外部の力で事業を前に進めながら、必要な人材像を具体化していく選択肢として考えることもできます。
| 観点 | 正社員採用の場合 | 副業人材を活用する場合 |
|---|---|---|
| 採用コスト | 求人広告費や紹介手数料が発生 | 契約条件の調整が中心 |
| 着手までの期間 | 選考から入社まで数か月かかることが多い | 条件が合えば短期間で稼働を開始 |
| 教育コスト | 戦力化まで教育期間と社員の時間が必要 | 実務経験者のため説明を最小限にできる |
| 業務量の変動 | 繁閑にかかわらず費用が固定 | 必要な時期に稼働量を調整できる |
副業人材を業務委託で受け入れるときの留意点
活用の効果を得るには、受け入れ方の設計が欠かせません。契約形態に応じたルールを理解しないまま進めると、トラブルにつながることもあります。ここでは、実務で押さえておきたい3点を整理します。
業務委託では指揮命令ができない
業務委託契約は、労働時間を管理して指示を出す雇用契約とは性質が異なります。始業時刻を指定する、細かな作業手順を逐一指示するといった関わり方は、契約の実態と合わなくなるおそれがあります。依頼する際は、作業の進め方を細かく指定するのではなく、達成してほしい成果や業務の範囲、納期を明確にして合意することが基本です。社内の担当者にもこの違いを共有しておくと、運用が安定します。
フリーランス法で発注企業に求められる対応
2024年11月1日に施行されたフリーランス・事業者間取引適正化等法により、個人に業務を委託する発注事業者には一定の義務が課されています。仕事を発注した際の取引条件の明示、成果物の受領から原則60日以内での報酬の支払い、受領拒否や報酬の減額などの禁止、ハラスメント対策のための相談体制の整備といった内容です。委託する期間の長さによって適用される義務の範囲が変わるため、継続的に依頼する予定がある場合は、契約前に自社の対応状況を確認しておきましょう。
参考:公正取引委員会「フリーランスの取引適正化に向けた公正取引委員会の取組」
https://www.jftc.go.jp/fllaw_limited.html
稼働時間と情報管理のルールを決めておく
副業人材は本業を持っているため、連絡が取れる時間帯や対応できる曜日が限られます。打ち合わせの時間帯、連絡手段、返答までの目安を最初に決めておくと、認識のずれを防げます。また、本業先の副業に関する規定は企業ごとに異なるため、本人に確認してもらうことも欠かせません。厚生労働省のガイドラインでは、企業秘密の漏えいを招かないよう留意することが求められており、受け入れ側でも取り扱う情報の範囲と秘密保持の取り決めを明確にしておく必要があります。
参考:厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000962665.pdf
副業人材の活用シーンと報酬相場の考え方
最後に、どのような業務が副業人材に向いているのか、そして報酬をどう考えればよいのかを整理します。依頼内容の設計次第で、成果の出方は大きく変わります。
活用しやすい業務の特徴
副業人材に向いているのは、成果物や業務範囲を切り出しやすく、稼働時間が限られていても価値を出せる業務です。広告運用やSNS運用、コンテンツの設計、採用広報の立ち上げ、施策のレビューや壁打ち役といった領域が代表例です。逆に、日中の即時対応が求められる業務や、社内の複数部署との調整が常に発生する業務は向きません。まずは、自社の課題のうち「専門家の判断があれば前に進む」部分を切り出すところから考えてみましょう。
| 活用シーン | 依頼内容の例 | 向いている理由 |
|---|---|---|
| 施策の立ち上げ | 広告運用やSNS運用の設計と初期構築 | 立ち上げ期に専門性が集中して必要になる |
| 社内人材の底上げ | 定例でのレビューや相談対応 | 限られた稼働時間でも価値を出しやすい |
| 一時的な業務増 | キャンペーン期間の施策実行支援 | 期間を区切って依頼できる |
| 新領域への着手 | 自社に知見がない分野の方針策定 | 採用を待たずに判断材料を得られる |
報酬相場の考え方
副業人材の報酬は、職種や求める経験値、稼働量、任せる業務範囲によって幅が大きく、一律の相場を当てはめて判断することはできません。金額を検討する際は、月額固定で一定の稼働を依頼する形なのか、時間単価で実働に応じて支払う形なのか、特定の成果物に対して支払う形なのかという設定方式から整理すると考えやすくなります。相場観をつかみたい場合は、同じ条件の案件がどの程度の金額で成立しているかを、複数の情報源で確認することをおすすめします。注意したいのは、金額の安さだけで判断すると、期待していた成果に届かず、結局やり直しの工数が発生するケースがある点です。依頼したい業務の難易度と、その人材に求める経験値を先に言語化しておくと、提示された条件が妥当かどうかを判断しやすくなります。稼働量の見込みについても、月あたり何時間程度を想定しているのかを事前に伝えておくと、認識のずれを防げます。
業務委託エージェントを活用する方法
自社だけで副業人材を探す場合、募集の告知から候補者の見極め、条件交渉までをすべて担うことになります。業務委託に特化したエージェントを利用すれば、依頼したい業務内容に合う人材の紹介を受けられ、条件の調整も相談しながら進められます。実績の確認方法や契約条件の整え方など、初めての受け入れでつまずきやすい部分を補ってもらえる点も利点です。社内に判断基準がない段階では、外部の知見を借りたほうが結果的に早く進みます。
まとめ:副業人材の活用で採用の選択肢を広げる
副業人材とは、本業を持ちながら空き時間で他社の業務に携わる人材であり、雇用ではなく業務委託で受け入れるのが一般的です。採用広告費や紹介手数料、戦力化までの教育期間といった正社員採用に伴うコストを抑えながら、必要な専門性だけを必要な期間補える点が、人材の確保に苦労する企業にとって大きな利点になります。受け入れにあたっては、指揮命令を前提としない依頼の仕方に切り替えること、フリーランス法で求められる取引条件の明示や報酬の支払期日に対応すること、稼働時間と情報の取り扱いを最初に決めておくことが欠かせません。一方で、どの業務を切り出し、どの程度の条件で依頼すればよいかを社内だけで判断しきれない企業も多いのが実情です。キャリーミーでは、実務経験を持つプロ人材と企業を、業務委託という形でマッチングしています。自社に合う活用パターンをお探しの際は、お気軽にご相談ください。
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