マーケティングフレームワーク最新動向とは?AI時代にふさわしい活用方法

とりあえず見てみない?プロ人材リスト

とりあえず見てみない?プロ人材リスト

マーケティング、広報、事業開発などの施策ごとのプロ人材リストはこちら

13000人から厳選

無料ダウンロード

3C分析とは">3C分析をひととおりまとめるのに半日かけていた作業が、いまは数分で終わります。生成AIとは">生成AIに社名と業界を伝えれば、それらしい表が返ってくるからです。すると当然、こんな疑問がわいてきます。フレームワークを学ぶ意味は、まだ残っているのでしょうか。

本記事では、AI時代にフレームワークが担う役割を整理したうえで、押さえておきたい新しい枠組み、企業がつまずきやすい課題までを解説します。読み終えるころには、AIに任せる部分と自社で判断すべき部分の線引きが見えてくるはずです。ぜひ参考にしてください。

AI時代もマーケティングフレームワーク戦略が重要な理由

記事のイメージ画像

フレームワークが不要になったのではなく、役割が変わったと捉えるほうが実態に近いといえます。かつては分析そのものに時間がかかりましたが、その工程はAIが肩代わりできるようになりました。残ったのは、何を問うかと、出てきた答えをどう判断するかです。ここでは重要性が続く理由を4つの角度から見ていきます。

生成AIは答えを出せても、問いは立ててくれない

生成AIに「3C分析をして」と指示すれば、顧客・競合・自社の3欄はすぐに埋まります。ただし、その分析で何を決めたいのかを決めるのは依頼する側です。新規参入を判断したいのか、既存商品の訴求を変えたいのかで、集めるべき情報も見るべき粒度も変わってきます。

フレームワークは、この「何を問うか」を明示するための道具でもあります。3Cを選んだ時点で市場と競合と自社を並べて見ると宣言したことになり、5フォースを選べば業界構造に目を向けると決めたことになるでしょう。枠組みの選択そのものが、すでに意思決定なのです。

AIの出力は似通うからこそ、切り口の差が成果を分ける

似た学習データを持つモデルに似た指示を出せば、返ってくる答えも同じ方向へ寄っていきます。マッキンゼーは2026年のカンヌライオンズを振り返った記事で、他のモデルと同じ内容で学習したモデルが作るキャンペーンは似通う方向に向かいやすいと指摘しました。誰もがAIを使う環境では、出力そのものに差はつきにくくなります。

差がつくのは、AIに与える前提のほうです。自社しか持っていない顧客の声、現場で拾った失注理由、実際に効いた訴求の記録。こうした一次情報をどの枠組みに流し込むかで、同じツールを使っても結論は変わってきます。

フレームワークはAIへの指示と検証の共通言語になる

AIの出力をそのまま社内に回すと、根拠のはっきりしない一般論が資料に残ってしまいます。フレームワークを共通言語にしておけば、「この欄の根拠は何か」「この前提はどこから来たのか」と、確認すべき箇所を全員が同じ形で指摘できるでしょう。

これは指示を出す段階でも効いてきます。「マーケティング戦略を考えて」と丸投げするより、「STPの枠で、この3つの顧客データをもとに整理して」と伝えたほうが、出力の質は安定します。枠組みは、人とAIのあいだで認識をそろえるための型として機能するわけです。

議論の焦点は「代替するか」ではなく「どう補い合うか」

この論点は実務だけの話ではありません。経営戦略の学術誌Strategy Scienceは、2026年3月号(第11巻第1号)で「Can AI Do Strategy?」と題した特集を組みました。掲げられた問いは、AIが戦略を丸ごと肩代わりできるかではなく、戦略のどの工程をAIに委ね、どこを人が担うのかという線引きです。

ハーバード・ビジネス・スクールの研究機関BiGSの記事も、同じ方向を向いています。AIだけでは良いアイデアと平凡なアイデアを確実に見分けることはできない、という指摘です。成果を分けたのは、AIの提案から自社の文脈に合うものを選び取る判断力でした。フレームワークは、その判断の拠りどころを言語化する役割を担います。

(参考:Strategy Science「Can AI Do Strategy?」(Vol.11, No.1, March 2026)https://pubsonline.informs.org/doi/10.1287/stsc.2026.intro.v11.n1)

(参考:McKinsey & Company「The real signals from Cannes Lions 2026」https://www.mckinsey.com/capabilities/growth-marketing-and-sales/our-insights/next-in-growth/the-real-signals-from-cannes-lions-2026)

(参考:Harvard Business School Institute for Business in Global Society「AI won’t make the call: Why human judgment still drives innovation」https://www.hbs.edu/bigs/artificial-intelligence-human-jugment-drives-innovation)

最新マーケティングフレームワークの活用ポイント

「最新」をうたう解説記事の多くは、実際には3C・4P・SWOTといった定番を並べています。定番が有効であることは変わりませんが、それだけでは近年提唱された枠組みが視界に入りません。ここでは、AIとの分担を前提にした使い方と、押さえておきたい新しめの枠組みを紹介します。

定番のフレームワークは「AIに下ごしらえを任せる」前提で使う

3C・PEST・SWOT・STPといった定番は、いまも現役です。変わったのは使い方のほうで、公開情報の収集や初期の整理といった下ごしらえは、AIに任せられる工程になりました。担当者が半日かけていた作業を数分に短縮できるのは、素直に大きな変化です。

ただし、任せてよいのはここまでと考えたほうが安全でしょう。AIが集めた情報の出どころが正しいか、自社にとってどの項目が重い意味を持つのかは、人が確認するしかありません。定番のフレームワーク自体の解説は既存記事に譲り、本記事では分担の考え方に絞って進めます。

押さえておきたい新しめの枠組み

定番の多くは1960年代から1980年代に提唱されたものです。その後にも実務で使われる枠組みは生まれており、次の6つは押さえておく価値があります。

枠組み 提唱 何を考えるための枠か
CEP(Category Entry Points) エーレンバーグ・バス研究所 カテゴリーを買う場面で思い出してもらう手がかり
メンタルアベイラビリティ 同研究所 購買場面で思い出されやすい状態かどうか
5A コトラーほか『コトラーのマーケティング4.0』 認知から推奨までの顧客の道筋
ジョブ理論 クリステンセンほか 顧客が商品を「雇う」目的
フライホイール HubSpotが転用したモデル 顧客満足が次の成長を生む循環
パーセプションフロー®・モデル 音部大輔氏 認識の変化で活動全体を1枚に設計する

エーレンバーグ・バス研究所はCEPを「そのカテゴリーの買い手が購買場面に直面したときに記憶へアクセスする手がかり」と定義しています。ジョブ理論の邦訳版の紹介文は「消費者はやり遂げたい『ジョブ』があり、そのジョブを解決するために商品を『雇用』している」というクリステンセンの主張を紹介しました。いずれもAIに指示を出す際、視点をずらすための道具として使えるでしょう。

実行前に検証を挟む発想「PSDCAモデル」

枠組みそのものが更新される動きも出ています。国内電通グループは2026年5月、統合AIプロダクトの基盤として「PSDCAモデル」を公表しました。PDCAにSimulation(シミュレーション)を加えた同社グループ独自のフレームワークです。AIが実行前に複数の選択肢や結果を予測することで、計画の精度を高め、手戻りを減らす狙いだとしています。

考え方としては、Doの前に一段挟むという点が要点です。従来は実施しなければ市場の反応が分からず、失敗の学習に時間がかかりました。予測の精度をどこまで信頼するかは各社の判断ですが、「試す前に確かめる」工程を持つという発想は、自社のPDCAを見直す材料になります。

使い分けは2軸で考える

数が増えると、どれを使うか迷いやすくなります。整理の仕方はいくつも考えられるでしょう。分かりやすいのは「マーケティング分析のための枠か、戦略立案のための枠か」という軸です。ここに「AIに任せるか、人が担うか」を掛け合わせると、迷いは減ります。

AIに任せやすい工程 人が担うべき工程
分析のための枠組み(3C・PEST・SWOTなど) 公開情報の収集と一次整理 情報の真偽と重み付けの判断
戦略立案のための枠組み(STP・4P・CEPなど) 選択肢の案出しと言語化 何を選び、何を捨てるかの決定

この表で言いたいのは、右側の列が空いたままでは枠組みが機能しないということです。左側だけを回していると、体裁の整った資料は増えるものの、意思決定は前に進みません。

(参考:Ehrenberg-Bass Institute for Marketing Science「B2B Reports」https://marketingscience.info/b2b-reports)

(参考:ハーパーコリンズ・ジャパン「ジョブ理論」https://www.harpercollins.co.jp/job/)

(参考:HubSpot「フライホイールモデルとは」https://www.hubspot.jp/flywheel)

(参考:宣伝会議「【発売前重版決定!】新刊書籍「The Art of Marketing マーケティングの技法 ―パーセプションフロー・モデル全解説」(音部大輔著)」https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000351.000002888.html)

(参考:電通「国内電通グループ、新戦略『AI For Growth 3.0』のもと統合AIプロダクトを提供開始」https://www.dentsu.co.jp/news/release/2026/0525-011042.html)

フレームワーク戦略で企業が抱える課題

枠組みを知っているかどうかと、成果につながるかどうかは別の問題です。AIが分析を肩代わりするようになって、この差はむしろ開きつつあります。ここでは、多くの企業がつまずく4つの課題を挙げます。自社に当てはまるものがないか、確認しながら読んでみてください。

課題1:枠を埋めることが目的になり、示唆が出ない

3Cの3欄が埋まった資料が回覧されても、それだけでは何も決まりません。フレームワークは情報を整理する器であって、答えを出す装置ではないからです。埋まった時点で仕事が終わったように感じてしまうのが、この課題の厄介なところでしょう。

AIを使うと、この状態に陥りやすくなります。数分で見栄えのする表が完成するため、埋まったこと自体に納得感が生まれてしまうのです。分析のあとに「だから何をするのか」を1行で書く習慣を持つだけでも、状況は変わります。

課題2:AIの出力を検証できず、そのまま通ってしまう

生成AIは、根拠が薄い内容でも自信のある文体で出力します。競合の強みとして挙げられた項目が実在するのか、市場規模の数字がどの調査に基づくのかを、誰かが確認しなければなりません。ところが検証には元の情報にあたる手間がかかり、後回しにされがちです。

その結果、社内資料に出典不明の数字が残り、それを前提に意思決定が進んでしまいます。防ぐには、出力を受け取る側が「この項目の根拠を示してほしい」と言える状態を作っておく必要があるでしょう。

課題3:自社の一次情報がないため、分析が一般論で終わる

AIが参照できるのは、基本的に公開されている情報です。自社の顧客が何に困り、どの言葉に反応したのかは、社内にしか存在しません。この一次情報を持ち込まないまま分析すると、どの企業が作っても似た内容になってしまいます。

商談の記録、失注の理由、問い合わせの文面。こうした手元の材料を整理して枠組みに流し込めるかどうかが、分かれ目になります。ツールを増やす前に、自社が何を持っているかを棚卸しするほうが先です。

課題4:フレームワークを回せる人が社内にいない

課題1から3をまとめると、いずれも「判断する人」の不足に行き着きます。キャリーミーは2022年8月、デジタルマーケティング人材を業務委託とは">業務委託で活用している企業の担当者100名に調査を実施しました。人材不足を実感した87名に不足している業務を複数回答で尋ねたところ、最も多かったのは「戦略設計」で65.5%が挙げています。

DXとは">DXを担う人材の不足感も高い水準が続いています。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「DX動向2026」を見てみましょう。DXを推進する人材の「質」について「大幅に不足している」と答えた企業が52.9%、「やや不足している」が35.9%で、不足感は合計88.8%にのぼりました。調査全体の有効回答は1,799社で、この設問はDXに取り組んでいると回答した企業が対象です。手を動かす人よりも、方向を決める人が足りていない構図が見て取れます。

(参考:キャリーミー「【デジタルマーケティングにおける業務委託活用の実態】87%がマーケティング人材不足を実感 特に「戦略設計」ができる人材の確保に苦戦」https://carryme.jp/agent/20220829-press/)

(参考:独立行政法人情報処理推進機構「「DX動向2026」広がるAI導入、DXは変われるか」https://www.ipa.go.jp/digital/chousa/dx-trend/dx-trend-2026.html)

AI時代のマーケティングフレームワークにふさわしい人材とは

記事のイメージ画像

必要なのは、フレームワークの名前を多く知っている人ではありません。AIが出した分析の前提を疑い、自社の文脈に翻訳できる人です。ここでは、外部から人材を迎える場合も含めて、どこを見極めればよいのかを整理します。面談で確認できる具体的な観点まで落とし込みました。

求められるのは「知っている人」ではなく「前提を疑える人」

フレームワークの解説は、書籍にもWebにも豊富にあります。生成AIに聞けば、定義も使い方も即座に返ってくるでしょう。つまり知識そのものは、もはや差別化の要素になりません。

価値が移っているのは、前提を疑う側です。この3C分析はいつの時点の情報なのか、競合の定義はこれで妥当なのか、そもそもこの枠組みで見るべき論点なのか。こうした問い直しができる人材が、AIの出力を実際に使えるものへ変えていきます。

見極めたい3つの観点

採用や業務委託の場面では、次の3点を軸に確認すると判断しやすくなります。いずれも、経歴書からは読み取りにくい部分です。

• 一次情報の集め方:顧客に直接聞く、営業の記録を読み込むなど、公開情報以外をどう集めてきたか

• 出力の検証手順:数字や主張の裏を取るときに、何をどの順番で確認しているか

• 自社文脈への翻訳:一般的なフレームワークを、業界特有の事情に合わせて調整した経験があるか

3つ目は特に重要です。同じSTPでも、購買にかかわる人数が多いBtoBと、個人が短時間で決めるBtoCでは、詰めるべき粒度が変わります。この差を説明できる人は、実際に手を動かしてきた可能性が高いといえるでしょう。

面談で確認したい質問例

抽象的な質問では、模範解答が返ってくるだけです。具体的な場面を指定して聞くと、経験の有無が見えやすくなります。

• 直近で担当した案件で、最初に立てた仮説が外れた経験はありますか。何をきっかけに気づきましたか

• 生成AIが出した分析を、そのまま使わなかったことはありますか。どこを直しましたか

• 社内にデータが揃っていない状態から始めたとき、最初に何を集めましたか

• 提案が社内で通らなかったとき、次に何を変えましたか

答えの正しさより、具体的な場面を語れるかどうかを見てください。枠組みの説明が流暢でも、自分の失敗を挙げられない場合は、実務での使用経験が浅い可能性があります。

社内に残す部分と、外に出す部分を分けて考える

こうした人材を正社員として採用するのは、簡単ではありません。ただ、すべてを社内に抱える必要もないはずです。自社の顧客情報を扱う部分や、意思決定そのものは社内に残し、枠組みの設計や検証の型づくりを外部の専門家と組むという分け方があります。

業務委託という選択肢を取れば、必要な領域に必要な期間だけマーケターを置けます。週1日から関わってもらう形なら、社内に判断の型が残ったところで比重を下げることも可能です。「全部を任せる」でも「全部を自前でやる」でもない中間を設計できるかが、実際には効いてきます。

まとめ:成功に導く新しい時代の人材活用

マーケティングフレームワークは、AIの登場によって不要になったのではなく、役割が移りました。分析の作業そのものはAIに任せられる一方で、何を問うか、出てきた答えをどう判断するかは人の仕事として残っています。CEPや5A、ジョブ理論といった新しめの枠組みも、視点をずらす道具として押さえておくと選択肢が広がるでしょう。

課題として挙げた4点は、いずれも判断する人の不在に行き着きます。裏を返せば、枠組みを回せる人が1人加わるだけで、止まっていた議論が動き出すということです。キャリーミーには実務経験を積んだプロ人材が約1万5千人登録しており、そのなかには戦略設計やマーケティング支援を担える人材も多数在籍しています。

週1日から稼働でき、契約が開始するまで費用はかかりません。どのような人材がいるのかを知るところから始めたい場合は、資料をご用意しています。自社に足りないのが手を動かす人なのか、方向を決める人なのかを整理する段階から、お気軽にご相談ください。

キャリーミーはマーケティング・広報領域を中心にプロ人材を紹介しています!

サービス資料

  • 中途採用では出会えない優秀な人材が自社のメンバーに!
  • 戦略から実務まで対応、社員の育成など業務内容を柔軟に相談!
  • 平日日中の稼働や出社も可能!